世界の中での日本、世界の中での自分――恵まれて育った女子大生がやりたいこと、すべきことを追求し見つけた夢とは

By 柳川 悠香

2017.10.31  

0

本気はいたるところに落ちている。

こんにちは、マジマガ!です。

 

帰国子女でもないし、留学経験もない。

日本の英語教育は良くない。

そうやって、海外に出ることを諦めてはいませんか?

そうやって、挑戦する機会を潰してしまってはいませんか?

 

英語は学校や受験で学んだだけ。私たちの多くと同じように大学生活をスタートしつつ、自分の力で英語をモノにし、数々の国際イベントを飛び回る女子大生がいます。「世界の中での日本、世界の中での自分」に向き合い模索する中で彼女が見つけた夢は何なのか。早稲田大学3年生・玉澤恵理氏に迫りました!

 

1258B294-8498-4E88-9A04-8AB30DA28D5A

玉澤恵理(たまざわ えり)

早稲田大学政治経済学部政治学科3年。東京生まれ東京育ち。中国系の血を引くクウォーター。人と話すこと、人と楽しい場を作ることが好き。趣味はピアノ、ランニング、カメラ、民族衣装を着ることなど。英語のスピーチコンテスト全国大会出場、UNHCRインターン、ハーバードの学生団体が運営する国際フォーラムHPAIR参加など、グローバルに活動中。

 

大学合格がゴールではないと気付いたA8B01501-F1D0-4817-A434-389E51FBFE76

 

- 外の世界に飛び出していこうと思ったきっかけはありますか?

 

きっかけは大学に入ってからです。

最初は受験に合格して、この先苦労することはないと思っていたんです。でも、英語で一番上のクラスに入ったら、人生の半分以上海外で過ごしてきた人が9割だったり、自分のやりたいことがあって実際に起業で成功してる人もいて。その人たちといたら自分がすごく小さく見えて、勉強だけでは満足できないと思いました。

 

中でも印象的だったのは今ヨットで世界一周している子です。その子は既に世界7大陸の高い山を制覇してるんです。彼女を見ていたら、次どの山に登るか、なんで登るのか、登った後には何が見えるか、なぜ生きているか、なぜ毎朝起きてこういうことをするのか、といった人生の意義付けを自分もしなくちゃいけないなと感じたんです。

そのためには勉強以外で何ができるのかなと考えて、始めたのが自分探しとしての色んなイベントに飛び込むことだったのかなと思います。

 

 

「自分は恵まれている」

S_6825263810874

 

- 実際に参加してみたイベントってどんなだったんですか?

 

なかなかどう行動したらいいかわからなくて、1年生の時は周りに刺激を受けつつも漫然と過ごしてしまいました。2年生になってから、ネットワーキングイベントといって、起業家の集まりとか、留学から帰ってきた人の話を聞くイベントに参加するようになりました。

 

あとはもともと国連に興味があったこともあって、2年生の9月から4カ月間国連のインターンをしました。そこのメンバーが国籍豊かで、特に印象に残っているのはシリア人の女の子です。実際にシリアでは何が起きているのか、両親が必死に命からがらレバノンに逃げた話を聞いて、「自分はこの学校にも入れた、塾にも行けた、すごく恵まれている」ということを実感したんです。そしてそんな自分が何をすべきなのかを深く考えるようになって、2年生の3月に台湾で開催された国際フォーラムで世界中の人と意見交換したことが本当の原点になりました。

 

- 台湾のフォーラムはどこで見つけたんですか?

 

大学の留学センターのHPで見つけて応募しました。ネットワーキングイベントはイベントごとに集まる人も限られていたので、一度にいろんな人に会える場所を探していました。

 

- 飛び込む手段は案外身近なところにあるんですね。

 

そうですね!

 

- ちなみに、英語はどうやって話せるようになったんですか?

 

中学校で英語の勉強を始めたら、英語でいろんな人とコミュニケーションが取れることがすごく楽しくなって、最初は趣味でした。大学に入ってからは、これまで勉強してきた書き言葉や受験のための英語ではなく、生活に根付いた英語こそが必要なものだなと強く感じたので、BBCやCNNのニュースを見ながら、キャスターになりきってリピートして、楽しみながら練習しました。他にも曲を聴きながら、テレビを見ながら、とにかく面白がりながら覚えていきました。

 

- 自力でモノにしたんですね。ありがとうございます!

- 話を戻して。これで変わった!みたいな、特に刺激を受けたイベントはありますか?

 

2つあって、1つめはさっきも話した国連のインターンです。国連の中でも国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)というところで仕事をしていたんですが、自分の手で実際の難民の現状を記事にすることを通じて、自分がどれだけ恵まれているかを実感したり「世界でこういうことが起こっている。でも自分は知らない。ではどうやって知っていけばいいんだろう。何ができるだろう」と考えるきっかけになりました。

 

2つめは、今年の夏に参加したハーバードの学生団体が運営しているHPAIRというイベントです。世界73ヵ国から600人が集まって難民問題、起業、スタートアップ、ベンチャー、人権問題、健康、環境、テクノロジーといった様々な議題について、5日間を通して議論するというイベントでした。

この目的は議論を通じて世界の問題に目を向ける、世界中から集まっていることを利用して現地の生の声を届けること、あとはそうした問題を持続的に解決していくための人脈の構築でした。

 

集まったメンバーは議論によって理解を深めるだけでなく、問題へのアプローチとして実際に団体を立ち上げたり、企業の中でポストを得て行動に移していて、刺激を受けました。あとは、日本人って、日本人としてのアイデンティティが強いと思うんですけど、国籍という枠組みに捕らわれず、世界という大きな枠組みの中で自分に何ができるかを考えている人もすごく多かったです。すごく楽しくて、自分を見つめる良い機会にもなりました。これが本当の人生の転機になったんじゃないかなと思っています。

 

 

自分探しの末に見つけた「教育」という課題

S_6825298771004

 

- 活動を通して見つけた目標、実際に自分にはこの問題に対してこう取り組むことができるのではないかと出た答えはありますか?

 

大きな夢としては、「もっと多くの子に質の高い教育を受けさせてあげたい」というのがあります。

自分は裕福な家庭で何不自由なく生きてきたことを当たり前だと思っていました。でもHPAIRで出会ったインドやアフガニスタンの子たちは、多くの人や国の支援によってようやく教育の機会を手に入れてきた子たちでした。彼らの話を生で聞いたことで、より教育の機会を平等にしたいという気持ちが芽生えました。

 

よく日本人のボランティアってカンボジアとかフィリピンに行って学校を建てたりしているんですが、私はそれよりも彼らを日本に呼び寄せて、長期的な育成をする方が理想だと思っています。その例として、ISAKっていう長野県の軽井沢にある全寮制の学校を建てた小林りんさんという方がいます。発展途上国に学校を建てて一時的にその学校で教育を行い、ある程度すると帰って特にアフターケアもない、という現状を彼女は疑問視していて、長期的な育成のために費用のほとんどを奨学金でまかなう学校を日本に作ったんです。ネパールやアフガニスタンなどの貧困地域の国から留学生を集めて、卒業したら日本の企業に就職してもらう。日本のためにも彼らのためにもなるという施策をしていて、それが面白いなと思ってるんです。

 

まだ大学3年生で、自分としての形ははっきりと決まってはいないし、まだ決めたくないです。でも最終的なゴールは、これまで与えてもらってきた教育という機会を、自分が他の人のために返していくことですね。

 

- そういったことを軸にこれからも活動をする、また就活をするということですか?

 

そうですね。社会で一回働かない限りは、どのような力が必要で、どのようなプロセスが必要なのか分からないと思うので。自分の好きなコミュニケーションと、世界の国との交渉というのを視野に入れて、どこの会社か団体かは分かりませんが、学びながら、自分に合う形を探しながら、動いていきたいです!それを軸に就活もします。

 

 

夢が見つからない人へ

E324F500-7D62-4FB8-A171-20B813A69026

自分のやってみたい分野に飛び込むことが大事かなと思います。

日本の受験システムって、ボランティアなどの課外活動を基準には見てもらえないので、海外のようにその過程で自分の方向性を見つけるのは難しいんですよね。だから大学に入ってから、自分の好きなことって何なのかって追求していくのが大事だと思います。それは国内も海外も問わずにです。海外に出ていろんな人に会うというのはひとつの手段でしかありませんが、私は「世界の中での日本、世界の中での自分」を客観視できる良い機会だと思っています。いろんなマインドセットを持った人に一度にたくさん会うことができて、ロールモデルを見つけられるので。英語力よりも、強い気持ちが大事だと思います。参加してみて「自分には英語が必要だ」と責任感を覚えたならそれもひとつの発見ですよね。私もまだまだ自分探しの途中です。

- 玉澤さん、ありがとうございました!

 

編集後記

何か夢を持ってプロジェクトに参加していたり、起業していたり、いわゆる”すごい人”ってそもそも生きてる世界が違うんだというイメージを持ってしまったりしますよね。

玉澤さんにインタビューして、それは勝手な決めつけで言い訳だと痛感させられました。大学生活を将来に繋げる有意義なものにしたいですね!