映画撮影

世界のクロサワに学ぶ、妥協ゼロ!本気の仕事術

By MAVERICK

2016.04.18  

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本気は至るところに落ちている。マジマガです。

些細なことを本気で行うことによって、出来上がったモノに帯びる空気は全く異なってくる。

日本の映画監督であり映画史の中で最も影響力のある人物、「世界のクロサワ」こと黒澤明。映画界の巨匠、北野武やスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスも「映画界の父」と仰ぐことで有名だ。

作品のためにスタッフに相当な無茶振りをしたり、死にかけるほど無茶な演出には大俳優もブチギレるほど。演出に過剰なまでのこだわりを見せていた黒澤氏の、細部へのこだわりとはいったいどのようなものだっただろうか。

映画界の巨匠!世界のクロサワこと、黒澤明

撮影

1943年、黒澤明氏、弱冠33歳で映画監督デビュー。映画界では異例の速さだ。デビュー作の「姿三四郎」は迫力満点の決闘シーンで大ヒットし、55歳までほぼ毎年映画を作り続けた。その間、「七人の侍」「羅生門」「生きる」など数々の名作を生み出している。

日本映画史において最も重要な人物である黒澤氏は、妥協を許さない厳しい演出をすることで知られている。

完璧主義・黒澤明の「本気のものづくり」

雲待ち
作品作りに対して問われると、彼はこう答えている。

「些細なことだといって、ひとつ妥協したら、将棋倒しにすべてがこわれてしまう」

そんな彼には、数々の逸話が残されている。理想の天気になるまで雲を待った「雲待ち」もその中の一つで勇名な話だが、ほかにも数々の逸話がある。

逸話1. 30秒のシーンに8ヶ月

姫路城

黒澤氏は、ひとつのカットに異常なほどこだわる。数ヶ月に及ぶ演技リハーサルはザラで、寺尾聰氏は約30秒のシーンで、黒澤氏からOKをもらうのに8ヶ月かかったそうだ
(「乱」(1985)―天守閣から夕日を眺めるシーン)

演技をより良いものに磨き上げるためには、何ヶ月と時間をかけることも厭わない。自分が納得のいかないことには絶対に妥協しないのだ。

逸話2. エキストラでも徹底的に!カメラが回っていない時の役作り

村

村人というものは、私たちからすれば映画の脇役中の脇役のように思える。エキストラをかき集めてそれっぽく見えれば良い、くらいのものと考える人がほとんどではないだろうか。

しかし、黒澤氏のこだわりはここにも表れる。「七人の侍」では、村人をより本物らしく見せるために家族構成表を作成。出演する俳優、エキストラ一人一人を割り当て、カメラが回っていない時でも家族単位で行動させるなどして、実際に家族のような雰囲気を出すことに成功したといわれいてる。

「ものを創る人間にとって完全が目標です。完全に満足のいく作品なんてないから、次の作品こそは完全無欠な作品をと願うわけです。だから、僕にとって一番の作品はネクスト・ワンです」

逸話3. 監督も役者も死と隣り合わせでリアリティを追求

笠懸

「蜘蛛巣城」では、騎馬のあるシーンでベテランの馬術スタッフが「役が重すぎる」と降板。乗馬の心得のある土屋嘉男氏が抜擢された。土屋氏は3回目のテイクが会心の出来だったが、黒澤氏は馬の動きに注文をつけ、その後幾度となくテイクを要求。たまりかねた土屋氏はわざと馬を黒澤氏めがけて走らせ、逃げ回る黒澤氏を追い掛け回し、3回目のテイクをOKにさせた。

黒澤監督が土屋氏の演技にOKを出した背景に「さっき俺を殺そうとしただろう、あの眼には殺気があった(だからOKだ)」、と言い放ったという逸話がある。

また、16本の作品で黒澤氏とタッグを組んでいる黒澤映画の常連、三船敏郎氏。
その中の一つ「蜘蛛巣城」には、ラストシーンで主人公(三船敏郎)が一本の矢に射抜かれて命を落とすというシーンがあるが、この時に放った矢は実は本物の矢。しかも、矢を射るのが師範クラスの人物ではなく学生であったということもあり、三船氏は撮影終了後「俺を殺す気か!?」と黒澤に向けて怒鳴ったとのこと。ちなみに、余りにも怒った三船氏は、その後黒澤氏の自宅に散弾銃を持って押しかけた。

演出の一貫で殺されかけるとは堪ったものではないが、黒澤氏はそれほどリアリティを追求していたのだ。本気のものづくりとは、死と隣り合わせのものでもあるのかもしれない。

奇抜なアイデアや天才的なひらめきよりも、神は細部に宿る

走り出す

自分の理想を実現させたい!今はこの世にはない新たな物を生み出したい!

そう思うならば、目の前の小さな作業の手を抜かず、妥協せずやり切ることだ。一流の人間ほど、例外なくこうした細部のコツコツとした積み重ねを苦としない。

「自分が本当に好きなものを見つけてください。見つかったら、その大切なもののために、努力しなさい」

そう語る黒澤氏の数々の栄光は、彼の細かすぎるともとれる努力によって生み出されたものだ。

細部へのこだわりは、0.1%でいい。仮に1日0.1%ずつ、昨日の自分より成長したとしよう。日々積み重ねれば1年で36.5倍、10年後には365倍成長していることになる。

昨日より0.1%でも工夫したりこだわったりすることを積み重ねる。それだけで、1年後には30倍以上成長し自分の理想を実現させ、その結果、今はこの世にはない新たな物を生み出すこともできるかもしれない。

大切なのは、今この瞬間から行動に移し続けられるかどうかだ!